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問題所有の原則

この春、社会人になった息子は専門学校に通っていました。
学費は本人の申し出により自己負担です。
その月々の返済も、この春からスタートしています。

先日その返済について、息子の銀行口座の残高不足で引き落としができなかったお知らせ兼振り込み葉書が届きました。

その葉書を写メに撮り、1人暮らしをしている息子にLineで送りました。

母「この葉書が届いてたよ」
(事実だけ伝えます)

息子「わかった。でも入金したのに何でだろ?」

母「何でだろうね」
(本人に返して考えさせます)

息子「銀行が変わったから先月末に入金したのに」

母「そっか、銀行変わったもんね。何か行き違いがあったのかしらね」
(受け止め言い方を変えて返し更に考えさせます)

息子「わかった!日にち勘違いしてた。用紙は置いておいて、後で自分でやるから」

母「了解。だけど期限が迫ってるから立て替えで良ければ代わりに振り込んでおいてもいいよ」
(期限近く初めてなのでワンスルー、普段頑張っているので応援する対応にしました)

息子「ごめんなさい、お願いします。今度返しに行きます」

母「わかった」

息子「ありがとう」


その後すぐに休日にやって来て
「ありがとう、今度から日にち間違えないように気をつけるね」と代金を返してくれました。

ついでの時に返してくれれば良いなと考えていましたが、すぐに返しに来てくれました。
息子が学費は自分の問題だと、しっかり捉えてくれていることを感じ嬉しくなりました。


自立を促す対応に欠かせないのが、問題所有の原則です。

問題所有の原則は、問題が起きた時その問題の所有者は誰かということです。
そして解決すべき人に解決させてあげるようにします。

大人同士、友達、夫婦、親子、すべての人と人との関わりの中で問題所有の原則を取り入れていくことが互いの成長につながることを支援を通し教えていただきました。


相手によっても違ってきますが、
やはり親子の問題所有は成長に合わせて変化させていく必要がありますのでとても難しいと感じます。

特に母と子の関係は、最初は一心同体で完全に問題を共有しているところから始まります。
その成長に合わせて徐々に問題を分けていくわけですが、その分け方を間違えてしまいがちなのだと実感しています。

本来、子供が自身で解決していく問題に対して親が干渉してしまうと子供は自分の問題だと感じられなくなります。

また子供の問題を親が解決してしまうと、自分で問題を解決する経験をすることができず問題解決能力が育たなくなる危険があります。


例えば、夏休みの宿題。
息子の自由研究を頼まれてもいないのに、間に合わなそうだからと手伝っていました。
手伝うどころかほぼ私が制作したこともあります。

中学に入ると塾の宿題も一緒にしていました。
不登校になる直前です。
苦手な科目は親がフォローすればいいのだと考えてました。
これも頼まれていませんでした。
息子がしかめ面をしていることを気にもとめずに進めていました。

息子が考えて経験する機会を私が奪ってしまっていました。
今でも思い出すと胸が痛みます。

発達段階に合わせて問題の所有の仕方も変化させてあげていれば良かったな、などと今なら思いますが、そのようなことを踏まえながらの子育てはしていませんでした。


復学支援を受けると、問題所有もそのお子さんそのご家庭に合わせた問題の持ち方をご指導してくださいます。

分け方が難しい場面がいくつかありましたが、先生からわかりやすくご指導いただき判断することができるようになりました。

子供が穴に落ちないようにするのではなく、穴に落ちても這い上がる力をつけてあげること。
そして、その穴が子供にとって這い上がることができないほど深い穴なのかどうか判断をし必要ならば助けます。

我が家の場合は、そのように理解し子供達と接してきました。


親の問題と子の問題を分けて考える上でも、思春期は問題が次から次へとおこり複雑さも増し、とても難しい時期だと感じています。

高校受験、高校卒業後の進路、就活、就職と、人生の分岐点を急激にいくつも迎えながら社会的自立に向かって進んで行く時期です。

例えば、中学の頃は家庭の中で
勉強、宿題、ゲーム、パソコン、睡眠時間、入浴、部屋の掃除などは本人の問題として干渉しませんでした。

我が家の場合は父親不在の時期がありましたので、ゲームなどの制限をかけることはしませんでした。

制限や決めごとをする場合は必ず守らせるようにすることが必要です。
守らせることが出来ない決まりごとは、子供上位を作る要因になりかねません。

起きる時間、食事の時間、門限など最低限の設定をしていました。


判断難しいと感じたなかに、体調不良がありました。

息子の場合は学校を休む時
「頭痛い」か「お腹痛い」でした。
初日と2日目までは体調不良をうったえていましたが、3日目以降は理由を言わなくなりました。

精神的なことからくる体調不良と、ウイルスなどによる体調不良とでは問題の所有が変わりますので、見極めが必要です。

息子の場合、理由を言わなくなる時は自主休業でした。
先生に「モヤモヤっとした時に休みたくなる傾向がある」と教えていただきました。
問題が起きた時、解決するのがめんどくさくなり休む方法を選んでいたように見えました。
やはり問題解決能力を育ててあげられていなかったのだと思います。
後に息子が「自分でもなぜそうなるのかわからない」と言っていました。

一方、インフルエンザや胃腸炎などの場合は、高熱など明らかな症状が出ますし自分から具体的に症状を伝えてきました。
病院に行くこと、親の助けも必要になります。

いずれにしても落ち着いて様子を見ます。
症状に対して親が過度な反応を示すことが返って症状を重くしてしまう場合もあります。
結果、必要以上に休みが長引くことにならないように気をつけます。

★支援中の方は先生に確認してくださいね!

0才から約20年かけて娘も息子も、自分の問題を自分のものと捉えて解決する能力を徐々に身につけることが出来るようになりました。

問題の持たせ方は、平時の会話の中で会話法を使い毎日積み重ねて来ました。

また、要所要所で欠かせないのが家族会議でした。
我が家はずっと家族会議法で乗り切ってきました。

家族会議についても、またの機会にお伝えできたらと思いますm(__)m


問題所有の原則の考え方は、職場でも大いに役に立っています✨

会社でもさまざまなことが起きますが、その度に作戦立てて1つ1つ解決しています。
対応の成果を感じられた時は、同僚のお仲間と静かにガッツポーズp(^_^)q
ひとまわりもふたまわりもお若い皆様と一緒にお仕事出来ることに感謝しています✨


この週末は娘が帰って来る予定なのでとても楽しみです(*^^*)
問題所有の原則を振り返えらせていただいたばかりですので良い女子会ができそうです✨