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人生のタスクと向き合う

前回、前々回と、記事を書かせていただき息子の高校生活を改めて思い返してみました。

息子の高校3年間は、当時の私にとっては欠席との戦いでした。
 
でもそれは家庭教育を学ぶにうちに、息子が人生のタスク(課題)に直面し向き合わせていただいていた、ということがわかりました。 
 
そして、それは息子だけでなく私達親もなのだということがわかりました。

 
我が家の「45・15問題」

高校1年🏫

高校1年の夏休み明けから崩れた息子でした。

夏休みに入ったところで、部活を辞めるにあたり先輩とトラブルになり解決できずに休んでしまったようです。
辞めたいと申し出たところ
「次のイベントが終わるまでいて欲しい」と言われ、イベントまで続けこれで辞められると思っていたら「もうちょっといて欲しい」となったそうです。
息子の教室の前で先輩方が待っているようになり行きたくなくなってしまったようです。

思春期鬱の状態になっていきました。

この時は藤本先生をはじめ、
家庭教育推進協会の代表理事でエンカレッジの代表でいらっしゃるU先生、訪問のA先生にもお力をお借りし、主人も含めチームを構成し役割りを決め対応していただきました。

息子の場合、今日対応して明日から登校する、ということではありませんでした。

毎日、息子の話しを聴き、息子が自分と向かい合う時間を与えてあげて考えさせこたえをみつけさせてあげるという対応でした。

今日ダメなら明日、明日もダメなら明後日と、とにかく粘り強く待ちました。

「先輩方と向き合い話しをする勇気を持たなければ」
息子がそう思えるようになるまで、1ヶ月ほどかかりました。

そして決心して朝家を出ようとするのですが玄関で固まる。
家を出たと思うと、通学途中で帰って来てしまいました。
まる1ヶ月休んでしまいましたので、今度はもう行きづらくなっていたようです。

やはり難しいのだろう、と親の方が諦めてしまいそうになります。

でも「勇気が持てないのなら校門まで送ってやろうか?」と先生におっしゃっていただいくと
息子は「お願いします」と言うのです。

先生が息子を車で校門の前まで連れて行ってくださいました。

「ここで見ていてやるから目をつぶって門をくぐって、そのまま教室までいっきに行きなさい」と言っていただき、
息子はそのままいっきに進んで行ったそうです。

やっとですが、部活の先輩達と話し合うことができ部活の問題を解決することができました。

それからは時々お休みしながらもなんとか登校。

メンタルフレンドの先生方にも最初は頻繁にいらしていただきましたが、徐々に訪問の間隔は開いていきました。

息子の場合は、優しいお兄さん先生と元気なお姉さん先生でした。 
数学をみていただきました。
国語は、もうお一方、落ち着いたお姉さん先生が引き受けてくださいました。

しっかりとしたお姉さんが引っ張ってくださり、お兄さんに支えていただき、穏やかなお姉さんに後押ししていただき、勉強にも前向きに取り組めるようになりました。


問題を解決する勇気が持てないのが息子の特徴だと思います。
話し合って解決しようとはするのですが、途中で諦めてしまっていました。

問題と向き合い話し合うことの大切さ、嫌なことを嫌だときちんと伝えることも必要だということ、学んでくれたのではないかと思います。


2年生🎽👟


2年生になると、今度は体育祭がネックになりました。
ダンスを披露しなければならないらしく、それがどうしても無理ということで、体育の授業がある日は休むようになりました。

息子の高校の伝統的な出し物で、最初からわかっていたことだったはずなのですが、いざとなると恥ずかしいと思ったようです。

自分に自信が持てなかったのだろうと思います。

体育の単位と、体育がある日にある美術の単位が取れなくなってきました。

担任の先生からもカウントダウンのお電話をいただくようになり、学校へ呼ばれるようになり、転校を提案されるようになっていきました。

ここでも、藤本先生に作戦を立てていただきました。

息子の登校ルールを作ってくださったのですが、何故かこのルールを息子が「やってみます」と言い守っていったのです。

このルールのことについては、今でもはっきりとはわからないのですが、おそらく息子の特性をいかしてくださったのではないかと思います。
もちろん、交渉のブロの先生だということもありますが、
息子自身も信頼している先生の提案だからこそ、守ろうとしたのではないかと思います。

ルールを守りながら登校すると単位を落とさず進級できる計算になり、なんとか3年生になることができました。

結局、ネックになった体育祭の日、こんな状態でしたので当然休むと思っていましたが、登校して行ったのです。
見学したそうですが、それでも行きました。

嫌なことでもやりぬく忍耐力、
苦手なことを克服しようとすることの大切さを教えてあげられたかなと思います。


3年生✏️📖


進学校ですので生徒全員が大学受験をする、ということになっています。
息子も大学進学を目指しはっきりとした志望校もありました。

学校行事はありませんし先輩も卒業され、息子の憂鬱は軽減されたはず。
3年生は大学入試に向けて少し励むのではないかと期待していましたが、とんでもありませんでした。

1年生よりも2年生の方が欠席日数が多くなっていましたが、3年生では更に年間の規定をこえてしまいそうなほどでした。

ちょっとしたことで休んでいたような気がします。

週明け月曜日は休みました。

担任の先生から電話をいただくと次の日は必ず休んでいました。

上の姉が風邪で休むと、息子も休みました。

雨の日も休んでいました。

夏休み明けの9月は、週に1日か2日しか登校しませんでした。

担任の先生が、電話をくださった翌日に息子が必ず休むことに気づいてくださり、電話を控えてくださるようになりました。

その頃から親が呼ばれることが増えました。

息子のように休む生徒は学年で毎年10〜15人いるそうです。
留年のない高校なので、ほとんどの生徒は転校していくのが通例で、そんな中で残っているのは息子だけだということでした。
息子も転校して、落ち着いた環境で受験に向かう方が良いのではないかということでした。 

確かにそうなのかもしれません。
でも息子が「この学校に通いたい」「この学校を卒業したい」と言うのです。
息子のことを考えてくださっていることに感謝し、
本人が納得しなければ転校は難しいことをお話しし、改めてこの学校に通わせていただきたいとお願いしました。

単身赴任をしていた主人も頻繁に帰って来て、息子と話し合い、学校へも出向き担任の先生とも話し合ってくれました。

若き担任の先生も頭を抱えていらっしゃいました。
併設している大学の心理学の先生に相談してくださるようになり、少しずつ息子のことも理解してくださるようになりました。

一方、他の生徒さんたちもいます。
目指す大学に向かってみんなで頑張っていくという指導方針があるのは重々承知しています。
先生も苦しまれておられたと思います。

でも、終盤になると卒業、入試に向けて応援してくださるようになりました。

3年生のカリキュラムは2学期で終了し、3学期になると大学入試の為お休みになります。

そのお休み期間に登校日を設けてくださいました。
課題を与えてくださり、未提出だった美術の提出作品も作れたそうです。
息子も、この時は登校して行きました。

大学が決まったのは卒業式の後でしたので、息子は担任の先生に進路の報告に行きました。

私もその後にいろいろお話しさせていただきました。
あんなに休んでいたのに何度も登校して来て驚いていらしたそうです。 
卒業できたこと、進学できたこと、息子が報告に行ったことをとても喜んでくださいました。

この時、課題を先送りにせずに、先生方にお力を貸していただきながら一緒に乗り越えられて良かったと思います。
仕事のタスク、交友のタスクを克服させていただき成長することが出来たのではないかと思います。
 
私自身も、家庭教育と出会い息子の支援を間近でみさせていただきながら、自然と自分の中で落とし込むことができるようになりました。

短めに続けたいと思います^^;


人生のタスク


アドラー心理学でいうと、
人間が社会の中で生きていくうえで必要な対人関係を『人生のタスク』とし、それは3つのタスク(課題)に分類されるとのことです。

「仕事のタスク」難易度低

仕事上の人間関係で1番難易度の低いタスクです。
仕事、家事、育児、学業。

生きていく上で多くの人が何かしら仕事をしないと生活できませんが、対人関係で考えると、仕事が終われば関わりはなくなります。
オンオフの切り替えさえしっかりとしておけばいいわけですし、どうしても合わなければ辞めることで関係も断つことができます。
 
難易度は低いのですが、この課題を解決することができないと他の課題を解決することは更に困難となりますので、重要な課題だと感じています。


「交友のタスク」難易度中
 
仕事のタスクより広い意味での交友関係、個人的な友達関係です。
 
お友達は仕事や学校、サークルや趣味などを通じてできますが、いつかそのきっかけや枠を超え交流は発展していく、という点で、仕事のタスクよりも難しくなると思います。
 
それは広さよりも深さ、距離感が大切ということにも納得しました。


「愛のタスク」難易度高
 
 
恋人、夫婦、親子、兄弟姉妹との関係です。
 
愛のタスクは2段階になるそうです。
 
1段階は恋人、夫婦で、別れることが可能な関係。
 
2段階は親子、兄弟姉妹。血縁関係です。
 
その中でも、親子関係が1番難易度が高いとされています。
 
それは、交友のタスクよりも深く近く複雑となります。
 
 
自分の課題に自分で取り組む


渦中にいる時は、それは辛いものだと思います。
本人はもっともっと辛かったと思います。

息子には、次にも越えなければならない山は待っていたのですが、その山もなんとか越えることが出来ました。

この山を越えられなければ、次の山はもっと大きく険しくなり、越えることができなかったかもしれません。

課題は先延ばしにすると、更に難しく複雑になっていくことが、実体験を通してわかるようになりました。
 
 
私自身、支援中は仕事と家庭内対応、娘との時間、自分の時間など、時間の確保に悩んだ時期もありましたが、ライフタスクの考え方を知り少しですが気持ちに余裕がもてるようになりました。
 
仕事は自分に代わってやってくれる人がいる。
今、最も難易度の高い課題と取り組んでいるのだから!
そう思うと、とらわれることがなくなり子供たちの課題に一緒に取り組むことができました。
 
息子はどう捉えているのかわかりませんが。
今でも高校時代のお友達との交流が続いています。
課題を克服させていただき、息子なりに成長することが出来たのではないかと思います。
 

大学では次の課題も待っていました。
このことも記事にさせていただきたいと思います。

引き続き、よろしくお願い致しますm(__)m

今日は、このあと「家庭教育セミナー」に参加させていただきます!

どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m