息子の高校生活を振り返らせていただきましたので、その続きを書かせていただこうと思いますが、その前に家族会議法についてお話しさせていただきます。
息子は自主休業が多かったのですが、父性対応の効果はありましたので要所要所で家族会議法を取り入れる家庭内対応をご指導していただきました。
ずっと家族会議で息子と一緒に乗り越えて来ました。
最初は藤本先生が父親役をしてくださいますが、支援が進むと徐々に父親に主導権を移していってくださいます。
中学生、高校生の頃は、折れそうになると父親がしっかりと叱ってあげ、先生方に支えていただきながら前向きな気持ちを維持していきました。
大学生になると、やや息子に寄り添いながら担任の先生のような感じの対応に変えていきました。
父親も単身赴任解除となり帰ってきてここから本格的にバトンタッチとなりました。
息子は「モヤモヤっとした時に休んでしまいますが、少し油をさしてあげるとまた動き出します」と教えていただきました。
本当にその通りで、
時々立ち止まったり転んでしまうことがあっても、家庭内対応で息子をまた立ち上がらせ前へ進ませてあげることができるようにしていただきました。
家族会議の手順
○事前打ち合わせ
両親で事前に打ち合わせをし、落とし所を決めておきます。
落とし所とは目指す目標値、と捉えています。何を目指すかを考え決めます。
お互いに利が勝ち取れるところを目指します。
次にBATNAを考えます。
BATNAとは、
Best Alternative To Negotiated Agreementの略で、
交渉が決裂した場合でも、最低でも取りたい、ここだけはキープさせる最低値です。
思春期対応では、このBATNAが重要だと実感しています。
子の年齢が高くなるにつれ、交渉が決裂する場合がしばしばあるからです。
思春期以降の家族会議には交渉学を取り入れていくことが必要になってくると感じています。
そして会話の流れを考えシナリオ(台本)を作ります。
このことを伝えたら息子なら何とこたえるか。
子の行動を知り特徴をつかみ予測する訓練をしていくとシナリオ作りができるようになります。
自分で考えたことを自分で言わせてあげることが大切です。
家族構造を整えると両親連合ができ基本の家族会議ができるようになります。
基本の家族会議ができるようになると、登校以外の事柄について母親が対応する家族会議の応用編もできるようになります。
○ 家族会議のTPO
Time:時間
家族会議の時間は夕飯の前にします。
大切な話は落ち着いた時間を選ぶ、また夕飯を優先させない、という優先順位を理解させてあげる意味もあります。
子供が受け入れやすい状況であるか判断し、無理そうな場合はやめておき次の機会を見計らいます。
親もまたコンデションが悪い場合は見合わせます。
会議をしない方が良い場合もあるということを頭に入れておきます。
Place:場所
家の中でしたら普段家族が集まるリビングルームや、あれば和室も良いと思います。
いうまでもありませんが、テレビは消します。
改まった雰囲気、非日常的な雰囲気を作ります。
Occasion:場合
うやむやにしてはいけない大切なことを話し合います。
我がでは会議をする場合は、登校に関して問題があった場合に絞りました。
息子の場合はテーマを絞らないと混乱するので、大切なことは登校だと理解してもらう為です。
例えば長く休んでしまいこのままでは受験、進級、進学が危ぶまれる場面、進学先や就職など将来的な目標値を設定する段階などで家族会議を行ってきました。
○実践
息子を呼び、リビングに座るよう促しスタートです。
父親が議長で息子と話し、シナリオに沿い息子の気持ちを引き出し受けとめながら目標値に向け進めていきます。
目標値にたどりつけなそうな場合はBATNAに切り替えます。
母親は立会人として見守り、場合によって調整が必要な場合は助け船を出します。
応用編として、登校以外のことがらについては母親主導で話しました。
この場合は父親に立会人になってもらいます。
後から、そんなことは言っていない等、行き違いのないように立会人を立てます。
話し合いが終わったら、雰囲気を戻して一緒にお夕飯を食べます。
家族会議にはパワーが必要!
大人への階段を上がっていく子供達との話し合いに無防備に挑むのは危険だと感じています。
でも、トレーニングをし力を付ければ一緒に乗り越えて行くことが出来ると実感しています✨
家族構造の構築、両親連合、平時の良好な親子関係。
交渉学、事前準備、失敗を恐れない気持ち。
頭でわかっていても実践は難しいものだと感じますが、積み重ねていくことで可能になると思います(^^)/
娘と相談して「あの雰囲気ならちょうど良いのではないか」と、我が家がよく利用するレストランにしました。
優しく誠実そうな方で、主人も納得です。和やかに進みました。
お付き合いをしているという経過報告でしたが、大切なことをふさわしい場を設けて話してくれ私も嬉しく思いました。
これも家族会議の成果かなと感じました。
食事の後、レストラン近くにある明治神宮で子供達の幸せを願い主人とお参りをしました。