少し前のことですが、義父が他界しました。
大切な人を失った悲しみは深く、主人も大変落ち込んでいました。
でも、子供達が支えてくれています。
義父が体調を崩した今年の初めから、入院、転院と本当にいろいろなことがありましたが、
娘も息子もその度に仕事を調整して駆けつけてくれて、介助も手伝ってくれました。
コロナ禍ですので規制もあり出来ないことがたくさんありました。
それでも精一杯のことが出来たと思います。
息子が私達家族をアルバイト先に連れて行ってくれたのですが、
それは主人をはじめ家族みんなを励まそうとしたからではないかなと思います。
娘は義父の生涯を「ファミリーヒストリー」として小冊子にまとめてくれました。
娘は小学生の頃、夏休みになると
家族の出来事を新聞にして掲示していました。
それは今でもそのままなのですが、
義父が亡くなってから改めて読み返してみますと、最後のページに義父のコメントが記載されてあったのです。
「○○ちゃん(娘)、いつも楽しいお話しをありがとう」
「一緒に温泉に行って楽しかったね」
「体に気をつけて勉強頑張ってね」
いつの間に書いていてくれていたのか。
誰も気がつかなかったのでびっくりしました。
娘は涙しながら
「これはもう、今回、特別編を発行しなきゃ」と、それから家族一人一人に聴き取り取材をしてくれました。
みんな、泣いたり笑ったりしながら思い出を語ってくれていました。
私も取材を受けました。
「おじいちゃんとのことで、1番心に残っていることはどんなこと?」
そう聞かれて、言葉が詰まってしまいました。
それはすぐに思い当たりました。
息子が不登校になり不登校支援をお願いすることにしたことを義父に報告した時のことです。
「わかった、やってみなさい。
〇〇(主人)と〇〇ちゃん(私)がそこまで考えて決めたことだから、お父さんは応援するよ!」
と言ってくれました。
その時の嬉しかったことは忘れられません。
その後も息子のことについても、ずっと応援し見守り続けてくれました。
そのことを娘に詳しくは話せませんでしたが、手紙に書いて最後のお別れの時に義父に渡すことが出来ました。
そして娘には、
娘がしてくれていることは「グリーフケア」であるということを伝えました。
グリーフケアとは、大切な人を失った悲しみをサポートすることです。
直訳すると
griefは悲しみ、careはお世話をすることです。
時に人は傷つき悲しみの底に沈んでしまいます。
娘がしてくれていることは、
いつまでも沈んだままでいてしまわないように、そこから浮上してくお手伝いの一役を担ってくれている、ということを話しました。
娘は「そうなんだね。そうゆうこと知らなかった」と言っていました。
ファミリーヒストリーには義母の了解を得て、お見送りの様子もまとめてありました。
娘は、
コロナ禍でどうしてもお見送り出来なかった親族に、様子を伝えたかったそうです。
「お見送り出来なくて辛いと思うから」と。
義父は生前「何も思い残すことはない」と言ってました。
そうきっぱり言える人生って素晴らしいなと思います。
それは義父自身の力であると共に、
やはり、義母のおかげであることは間違いありません。
見習っていきたいと思います。
残された私たちは、深い悲しみから立ち直り日常生活を送っていくことになりますが、それはそう簡単なことではありません。
でも、みんなで悲しみを共感し支え合うことで時間はかかっても必ず回復できると思います。
息子と娘、それぞれの優しい行動を引き出し導いてくれた義父に心から感謝し、これからも家族で協力し合い生きて行こうと思います。