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立ち止まり、また歩き出す

娘がヨチヨチ歩きを始めたころ「公園デビュー」という言葉がマスコミなどで使われるようになりました。

私も張り切って公園デビューを果たし、そこで心の通じ合うママさん達と出会いました。

息子が生まれる前からもう25年以上、今でも変わらぬお付き合いをさせていただいています。

 

あの頃は想像もしていなかったいろいろなことがありました。

それぞれがそれぞれに乗り越えて、誰が大変で誰が大変でないとかそうゆうことではないということも学ばせていただきました。

息子が不登校になったとき、すぐに家の近くまで会いに来てくれたことも忘れられません。

ブログも読んでくださっているそうで、そう声をかけていただけることをとても嬉しく感じています。

 

息子のその後をご報告させていただきます。 

役割分担~母性対応

 

息子は、派遣のアルバイトをしながら他のアルバイトの面接を受けていました。

収入を得ることができ学費の未払い分の請求書が届かなくなりました。

 

でも、今度は携帯代の未払い請求書が私宛に届きました。

最初の契約を私の名前でしていたためだと思います。

 

派遣のアルバイトだけでは、息子の生活全てをカバーできるだけの金額にはなっていないようです。

 

これをどうしようかまた考えました。

 

今の息子はやや上向きに進んでいます。

父性対応で話しをするにはタイミング的にも効果は期待できないと思いました。

 

父性対応は、ここぞという時に発揮してもらうもの。

 

息子本人はどう感じているかを予測します。

私達親が感じるよりも、かなり動けていると感じているはず。

 

マズい!と思ってはいません。

 

息子に渡すよりも私が預かって寄り添う方が効果的だと判断し、主人がいない時に息子と話すことにしました。

 

いつものように息子を呼んでリビングの椅子に座りました。

 

 

母「携帯代の請求がお母さん宛に届いたよ」

 

息子「あぁ」

 

母「どうしてこうなってるの?」

 

息子「足りてないから」

 

母「これ払えるの?」

 

息子「払えない」

 

母「どうしようと思っているの?」

 

息子「立て替えてもらえると助かります」

 

母「わかった。もう、こうゆうことお父さんに言える状態じゃないからこれはお母さんがなんとかしておくよ」

 

息子「うん、お願いします」

 

母「時間稼いであげるから、その間にバイトなんとかしなさい」

 

息子「うん、わかった!ありがとう」

 

 

こうして様子をみていると派遣のバイトを続けながら、他のバイトを探し続ける状態が年末まで続いていきました。

タイミングをみて父性対応

 

 

お正月休みになると娘がお土産を持って帰って来ました。

娘は息子にも声をかけてましたが、息子は部屋から出て来なくなりました。

 

食事も、娘がお風呂に入っている間を見計って出て来て自分の部屋に運んでいました。

 

娘が年末にお肉を送ってくれたので、すき焼きにしましたが、息子は出て来ませんでした。

「〇〇(息子)の分のお肉、冷蔵庫に入れておくねー」と声をかけておくと私達の留守中に食べていました。

 

三が日が過ぎ娘が戻ると、今まで通り息子も部屋から出てくるようになりました。

 

でも、お正月休みが終わり主人と私の仕事が始まっても息子は派遣のバイトにも行かず動きませんでした。

 お正月休みという環境の変化で立ち止まってしまったようです。

 

息子本人、マズい!と思っているはず。

 

ここで父性対応なのですが、

どこまで待ち、どう伝えるか、主人と相談をしました。

 

次に何か未払いのお知らせ葉書が届いたら、今後の選択肢を提示してその中から選ぶようにと話すことにしました。

 

するとまた、学費の引き落としが出来なかったお知らせ葉書が届きました。 

 

このタイミングで息子を呼びました。 

 

 

父「また学費の請求書が届いた。先月は支払えていたよな。どうなってるんだ?」

 

息子「今アルバイトを探してる最中です」

 

父「そうか、何か検討ついてるの?」

 

息子「まだです」

 

父「〇〇(息子)が探してるのはわかった。けど、また未払い通知が来てる。探してる状態が続いてしまっているだろ?」

 

息子「はい」

 

父「探してるだけではなく、そこから実際に働かないと生活はできないんだよ」

 

息子「はい」

 

父「〇〇(息子)1人で探すのに限界があるのなら一緒に探してやってもいいんだ。情報を頼るのは恥ずかしいことじゃない。自分では気づかなかった職種に目を向けられるってこともある」

 

息子「はい」

 

父「やりたい仕事とは違うかもしれないが、お父さんにも紹介できる会社はある。〇〇(息子)がやりたいと思うなら、お父さんの会社に来てもいいと思ってるんだ」

 

息子「はい」

 

父「このまま1人で探すか、お父さんとお母さんが手伝って一緒に探すか、お父さんの会社関係にするか。〇〇(息子)はどうしたいんだ?」

 

息子、無言。

 

父「〇〇(息子)の考えを聞かせて欲しいんだ」

 

しばらく考えて

息子「お父さんの会社は行かないでいいです。どうしてもの時は、でも今はいいです。アルバイトを一緒に探して欲しいです。自分でも探します」

 

父「そうか、わかった。じゃあ一緒に探そう。この支払いは立て替えておくからな」

 

息子「ありがとうございます」

 

父「これが最後だぞ」

 

息子「はい」

 

 

それから、検索をして息子に良いのではないかと思うアルバイトを探しいくつか資料としてプリントアウトしました。

その方が息子には効果的だと思い、情報をデータで送らずに形にしました。

 

また息子を呼びました。

 

父「お父さんとお母さんが探したアルバイトだ。気にいるかはわからないけど参考にしてみなさい」

 

息子「ありがとう」

 

母「ほとんどお母さんがやってみたい仕事だけどね」

 

息子、少し笑ってました。

 

まだ話せそうなので、

 

母「いろんな仕事があるね。この中から選べってことじゃないのよ。参考になればいいなと思ってね」

 

息子「うんわかった。ありがとう、よく見てみるよ」

 

母「〇〇(息子)は出来ると思うよ。今までだって、アルバイトしてきたんだから」

 

息子「うん」

 

それからまた何箇所か面接に行き出しました。

 

この間、面接だけが続きなかなか決まらない場合に備えて次の対応の段取りも考えておきました。 

準備して様子を見ていたところ、息子から報告がありました。

 

息子「アルバイト決まったよ、来週から行くね」

 

母「そう、わかった。お父さんにも報告しなさいよ」

 

息子「うん」

 

 

すぐに出かけている主人にメールをしました。

アルバイトが決まったので対応は変更。

息子から主人に報告できるようにする旨を伝え、短くしっかり認めてあげて欲しい、とお願いしました。

やると言っている時に長くごちゃごちゃ言わないように。

 

 

息子「アルバイト決まった」

 

父「うん、そうか。いつからなの?」

 

息子「来週から」

 

父「そうか。やってみなさい」

 

 

そしてお夕飯を食べながら、どこでどんなアルバイトをするのか話しました。

 

たまたま、この日のメニューもすき焼きでした。

お正月には一緒に食べられませんでしたが、今度は一緒に食べました。

我が家では、普段の日は豚肉のすき焼きです。

 

娘が全力で働いて買ってくれた牛肉のすき焼きは、それはもう格別に美味しかったのですが、

息子がやっとのことで決めたアルバイト報告の後の豚肉すき焼きも、これもまた同じぐらい美味しいものだと思いました。

主人も、美味い!といつもの倍は言ってました。

 

 

新しいアルバイト先の皆さんとの交流が始まりました。

 

たくさんの経験を通し、

自分で感じ自分で考え、感謝する気持ちが培われますように。

 

支援中、

何が問題でどうしたらいいのか、息子自身に考えさせて気づかせてあげることが大切だと教えていただきました。

 

これはとてもとても難しいことで、ご指導がなければできないことだと思います。

学費という対応のカードも、学校に行きたいと、それを息子が望んだからこそ効果を発揮していると感じています。

 

 

息子の歩みは亀のようにゆっくりですが、これからも見守っていきたいと思います。