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認知行動療法の考え方

 

 8月22日(日)に、我が家もお世話になりました家庭教育推進協会主催の

『家庭教育オンラインセミナー&懇親会』に参加させていただきました。

 

家庭教育推進協会 代表理事であり

不登校支援グループ エンカレッジ代表でいらっしゃるU先生が講師をつとめてくださいました。

 

テーマは

今話題の認知行動療法の考え方を学ぼう』

 

英語では

CBT(Cognitive Behavioral Therapy)です。

 

 

今回も難しい内容でしたが、わかりやすく教えてくださいました。

毎日の生活にすぐに役立つ内容です。

私なりにですがセミナーの復習をしてみたいと思いますので、お付き合いいただけたら嬉しいです(^^)/

 

 

認知に働きかける療法

 

認知とは、受け取り方や考え方のことですが、その認知の歪みをとらえて、認知に働きかけて気持ちを楽にする療法ということです。

 

私達も何か出来事があった時に瞬間的に浮かぶ考えやイメージがあると思いますが、それを自動思考というそうです。

思考パターンとか考え方のクセとか、よく耳にしますよね。

 

例えば、我が家の息子の場合だと

「学校は遅刻するくらいなら行かない」

「体育は苦手だからやらない」

「どうせ自分は何をやってもダメ」

などといった極端であったり、

まだわからないことを決めつけたり、悲観的な考え方に向かう傾向がありました。

 

こうした認知は人によって様々ですが、様々な認知になるのはスキーマによるものなのだということです。

 

スキーマとは、育った環境や体験によって形作られたその人の中にある知識の集合体、心の中にある信念や価値観のことだそうです。

 

なので、スキーマは人それぞれ、家庭によって違うといことです。

 

スキーマの中での自動思考があり、それは認知の違いということなのだそうです。

 

私達親は自分のフレーム、自分の価値観で子どもに伝えてしまうけれど、

子ども達の目線にたって考えてあげることが大切だということでした。

 

 

認知再構成法

 

では、どのようにして認知に働きかけていけば良いのでしょう。

 

認知行動療法には、いろいろな技法があるそうです。

前回のセミナーで取り上げてくださった応用行動分析やマインドフルネス、リラクゼーション法、アサーショントレーニングなどなど。

 

その中の1つに

「認知再構成法」があるそうです。

 

認知再構成法の流れは

 

アセスメント(分析)する

状況を客観的に把握する

 

問題を整理する

思い込んで膨んでしまった思考を整理する

 

認知の再構成

新しい気づきをもとに状況に合わせた考え方を検討する

 

体験学習をする

実際にやってみる

 

 

 

息子のケースで考えてみます。

 

息子は中学2年生の新学期から不登校になりました。

 

「どうせ何をやってもダメ」

「何もしたくない」

(認知)

 

と諦めてしまい、

 

全てのコミュニケーションを断ちました。(行動)

 

 

この

「どうせ何をやってもダメ」

「何もしたくない」

 

という認知を再構成していただきました。

 

 

「何をやってもダメなのか?」

 

「本当にそれでいいのか?」

 

 

本人に問いかけ、考えさせてあげ、どうしていくのか自ら行動出来るようにしていただきました。

 

 

息子の場合、その後も何度か、そういった思考になることがありました。

 

例えば、

高校では部活のトラブルから学校を休みがちになりました。

 

高校の先輩に部活を辞めたいと伝えたけれど断られてしまった。

「どうせ聞き入れてもらえない」

「話しても無駄」と、やる気を無くし学校に行かなくなりました。

 

ですが、

「辞めたいということをきちんと伝えられたのか」

「理由を説明すれば納得してくれるのではないか」

「話せばわかってくれるのではないか」

 

そう考え直すことができ、先輩と話し合うことにし登校しました。

会って説明しらた、わかっていただけたそうです。

 

我が家の場合は当時は支援を受けていましたので、

支援機関の先生にアセスメントしていただき、先生から具体的にご指導をいただいていました。

 

 

自分自身のことや、自分の家庭の状況を客観的に把握し分析することはとても難しいことだと実感しています。

 

アセスメントは重要で、

アセスメント(分析・見立て・計算)が違っていると、認知の歪みへの働きかけも違うものになっていきます。

 

内容にもよりますが大きな不安への対応は、その専門家の先生に相談していただきたいと改めて思いました。

 

 

ネガティブな認知が良くないくてポジティブな認知が良い、ということではなく、

新しい考え方に気づかせてあげたり、

他にもこんな考え方があるんだなと考え方を増やしてあげられるようにしてあげるということでした。

 

 

子ども達に自身の認知の歪みを気づかせてあげて、自分で考えて、自分で行動出来るようにしてあげることが大切なことだということです。

 

 

悪循環のメカニズム

 

人は恐怖や不安を感じた時、また同じことが起こるのではないかと不安になりがちです。

その不安は乗り越えないで回避していくと、時間と共にどんどん膨らんでいくものだということです。

 

例えば

 

学校で先生に怒られた

   

また怒られるんじゃないか(不安)

            ↓

怒られないように学校に行かなければいいんだ

会わなければいいんだ(回避)

   

成功体験の喪失

 

そうすると、休んで回避することで一時的には楽になりますが、今度は

「勉強についていけないんじゃないか」

「友達の輪に入れないんじゃないか」

 

と他の不安も出てきて不安はどんどん膨らんでいきます。

 

でも、不安を乗り越えると不安はだんだん少なくなるのだそうです。

 

学校を休まないで行ってみると、1日目は不安で緊張するけれど、

2日目、3日目と登校するにつれて不安はだんだん小さくなるそうです。

 

成功体験がないと悪循環は続きますが、乗り越えて大丈夫なことがわかるとモヤモヤはなくなるということです。

 

成功体験につながる体験学習が大切なのですね。

 

失敗してもいいから任せてみる。

やってみたら実は出来た。

それを褒めてあげたら自ら積極的に出来るようになった。

 

そういった成功体験を積み重ねることが悪循環を断ち切り、自分で考えて自分で行動できるようになるということでした。

 

どうしていいかわからずモヤモヤしている状態から、わかってくるとモヤモヤはなくなるのだそうです。

 

確かに、なんだかわからないことは不安でモヤモヤしますが、わかるとすっきりしますね。

 

「どうしてこうなったのか?」「あの時のことが良くなかった」と過去に気をとられるとそれで終わってしまうので、

これからどうしたらいいのかに目を向け自己解決能力をつけて行ってくださいね、ということでした。

新たな気づきもあり、毎日の生活や子育てに役立てていきたいと思っていましたら、

早速、職場で実践する場面がありました!

 

またその後日、その方に自動思考とスキーマについてもお伝えしたところ、「まさに今回の件!」と納得、

「話してすっきりした」ということでした。

 

教えていただいた理論を実践する場面は、日常の中に確かにあるのだなと実感しました。

 

 

 

🌺後半の懇親会でも実り多いお話しをたくさん伺うことができました。

懇親会の様子は、次回、記事にさせていただきたいと思います(^^)/☕